MoleditPy PySCF Calculator Plugin Tutorial

1. ブタジエンの分子軌道と節の規則

(計算レベル: B3LYP/STO-3G)

目的

1,3-ブタジエンの π電子系における分子軌道を可視化し、エネルギー準位が高くなるにつれて「節(Node)」の数が増加する規則性を検証します。

操作手順

Step 1: 分子モデルの構築と計算実行

  1. 構造式の描画:
    • メインキャンバスで炭素ツールを選択します。
    • 炭素原子を4つ繋げて鎖状にします。
    • 二重結合の作成: 「二重結合」ツールを選択するか、結合の上にカーソルを合わせてキーボードの '2' を押し、C1-C2間とC3-C4間を変換します。
    • 1,3-ブタジエン の構造になっていることを確認します。
  2. 3Dモデルへの変換:
    • ツールバーの "Convert 2D to 3D" ボタンをクリックします。
    • 3D構造が生成されるのを待ちます。
  3. プラグインの起動:
    • メニューバーから Extensions > PySCF Calculator を選択します。
    • 計算実行画面(PySCF Calculator)が立ち上がります。
  4. 計算設定:
    • Calculation タブを開きます。
    • Job TypeGeometry Optimization に設定します。
    • MethodRKS (Restricted Kohn-Sham) に設定します。
    • Functionalb3lyp に設定します。
    • Set Basis to sto-3g (計算速度優先の最小基底) に設定します。
    • Run Calculation ボタンをクリックして計算を開始します。
    ブタジエンの計算設定

Step 2: 軌道データの生成 (Post-Calculation Analysis)

計算が完了するとステータスバーに完了通知が表示され、画面下部の Post-Calculation Analysis 領域が操作可能になります。

  1. 軌道の選択:
    • 解析リストをスクロールして項目を探します。
    • HOMO-1HOMO (最高被占軌道)、LUMO (最低空軌道)、および LUMO+1 のチェックボックスにチェックを入れます。
    Pro Tip: Orbital Energy Diagram ボタンをクリックすると、インタラクティブなエネルギー準位図が開きます。HOMO-LUMOギャップの確認や、図上からの軌道選択ができ、便利です。
    Orbital Energy Diagram
  2. Cubeファイルの生成:
    • Generate & Visualize Selected ボタンをクリックします。
    • 注: グリッド上での軌道計算と .cube ファイルへの保存処理が実行されます。これには数秒かかる場合があります。
  3. 出力の確認: Visualization Files リストに .cube 拡張子のファイルが追加されたことを確認します。

Step 3: 軌道の比較

Visualization Files リストから各ファイルを選択し、形状を確認します。エネルギー準位が高くなるにつれて「節(ノード)」の数が増えていく様子を確認しましょう。

HOMO-1 1. HOMO-1 (Orb 14) 節 0個 (最低エネルギー)
HOMO 2. HOMO (Orb 15) 節 1個
LUMO 3. LUMO (Orb 16) 節 2個
LUMO+1 4. LUMO+1 (Orb 17) 節 3個 (最高エネルギー)
Tip: 操作をやり直したい場合は、メニューバーの File > New を選択してキャンバスをリセットし、最初から描画し直してください。