MoleditPy PySCF Calculator Plugin Tutorial

3. エタンの内部回転とスキャン計算

(計算レベル: B3LYP/STO-3G)

目的

エタン分子の C-C 単結合を回転させた際のポテンシャルエネルギー曲面(PES)をスキャンし、エネルギー変化と分子構造の相関を観察します。回転障壁は実験的に約 12 kJ/mol であることが知られています。

操作手順

Step 1: 分子モデルの構築

  1. エタンの描画:
    • メインキャンバスにて、炭素2つを繋げた構造(C-C)を描画します。
    • 自動的に水素が付加されるため、これは エタン (C2H6) となります。
  2. 変換と起動:
    • "Convert 2D to 3D" をクリックして立体構造へ変換します。
    • Extensions > PySCF Calculator を起動します。

Step 2: スキャン設定と実行

  1. Job Typeの選択:
    • Calculation タブにて、Job TypeRelaxed Surface Scan に設定します。
    • MethodRKSFunctionalb3lypBasissto-3g に設定します。
    • これは各回転角で構造最適化を行いながらエネルギーを計算するモードです。
  2. スキャン変数の設定:
    • Job Type 横にある Configure Scan ボタンをクリックします。
    • 動作: アプリケーションが「スキャン設定モード」に入ります。
  3. 二面角の定義:
    • メイン画面(3Dビュー)に戻ります。
    • 回転角(二面角)を定義するため、原子を 水素 → 炭素 → 炭素 → 水素 の順に4つクリックして選択します。
  4. パラメータ設定と実行:
    • 現在の角度が表示されたダイアログが出現します。
    • Start0 に設定します。
    • End180 に設定します。
    • Steps10 に設定します。
    • Run Calculation をクリックします。順次計算が実行されます。
    スキャン設定画面

Step 3: 結果のアニメーション再生

全ステップの計算が完了するまで待ちます。終了すると自動的に Scan Results ウィンドウが表示されます。

  1. グラフの確認:
    • 表示されたポテンシャルエネルギー曲線を確認します。
    • 極大(山): 0°, 120°。これらはエネルギーが高い不安定な 重なり形 (Eclipsed) です。
    • 極小(谷): 60°, 180°。これらは安定な ねじれ形 (Staggered) です。
    • 計算されたエネルギー障壁も、実験値と同様に 約 12 kJ/mol になっていることを確認しましょう。
    重なり形とねじれ形を示すPESグラフ
  2. 回転の可視化:
    • ウィンドウ内の Play ボタンをクリック(またはスライダーを操作)します。
    • メイン画面の分子モデルがグラフと連動して回転し、構造変化がアニメーション表示されることを確認します。