MoleditPy PySCF Calculator Plugin Tutorial
2. アセトンのESPマップと分極
(計算レベル: B3LYP/STO-3G)
目的
アセトン分子表面の電荷分布(静電ポテンシャル)をマッピングし、カルボニル基の極性と反応サイトを特定します。
操作手順
Step 1: 分子モデルの構築と計算実行
- アセトンの描画:
- 描画ツールを選択し、炭素鎖を3つ描きます(C-C-C)。
- 中央の炭素からドラッグして酸素原子を追加します。
- 二重結合にする: 「二重結合」ツールを選択するか、C-O結合の上で '2' キーを押して C=O
カルボニル基を作成します。
- 構造が アセトン (CH3COCH3) であることを確認します。
- 計算のセットアップ:
- "Convert 2D to 3D" ボタンをクリックして変換します。
Extensions > PySCF Calculator を開きます。
Calculation タブで、Job Type を Geometry Optimization
に設定します。(正確なESPマップを得るには構造最適化が推奨されます)
- Method は
RKS / Functional b3lyp
/ Basis sto-3g に設定します。
Run Calculation をクリックします。
Step 2: ESPデータの生成
構造最適化計算の完了を待ちます。
- 解析項目の選択:
Post-Calculation Analysis セクションのリストを確認します。
ESP (Electrostatic Potential + Density) という項目にチェックを入れます。
- マップの生成:
Generate & Visualize Selected ボタンをクリックします。
- 注: 電子密度グリッドの計算と、その等値面へのポテンシャルマッピングを行うため、軌道生成よりも少し計算時間がかかります。
Step 3: 電荷分布の可視化
生成が完了すると、ESPマップが自動的に表示されます。表示されない場合は Visualization Files から選択してください。
- 表示の調整:
Visualization Controls パネルを使用します。
- Isovalue スライダーを調整して、密度の等値面レベルを変更します(通常 0.002 - 0.02 a.u. 付近)。
- Opacity (不透明度) スライダーを下げて(例: 0.6)、内部の分子骨格が見えるようにします。
- マップの解釈:
- 赤色の領域: 負のポテンシャル(電子密度が高い)を示します。酸素原子(ローンペア)周辺に集中しているはずです。
- 青色の領域: 正のポテンシャル(電子密度が低い)を示します。水素原子周辺に見られます。
- これによりカルボニル基の分極が確認でき、求電子剤は酸素を、求核剤はカルボニル炭素を攻撃しやすいことが予測できます。
- 注: 静電ポテンシャルの単位は Hartree です。
補足事項
- 基底関数: 本チュートリアルでは速度優先で
STO-3G を使用しています。
- トラブルシューティング: 操作を誤った場合は、無理に修正せず
File > New で最初からやり直すことを推奨します。